エッセー哲学的 / 佐々木 寛


哲学に関わる、試論および小論、さらには、色々な時事問題や、身近な問題などについても、自由に書いてみたいと思っています。なお、コメントは、リンクにある掲示板へ、どうぞ。ただし、悪戯と思えるコメントは、削除します。

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ゲーデルとゲンツェン

 「ゲーデルは、1931年に〈自然数論以上の数学的内容をもつ形式的体系がもし無矛盾ならば、その体系の無矛盾性の証明は体系内で形式化可能な方法によっては証明できない〉(ゲーデルの定理)ことを証明した。当時、ヒルベルトのいう有限の立場での超数学の実行とは、初等数論で用いられる有限的方法と同様に疑いの余地のない確かな論法で数学に矛盾のないことを証明することと解されていたので、ゲーデルによるこの結果は人間の理性一般における限界を示したものとして衝撃を与えた。しかし、ゲーデルの定理はヒルベルトの計画に重大な制限を与えたことにはなるが、その計画自体の挫折を意味するものではない。その後ヒルベルト自身も述べているように、それは有限の立場を従前の初等的にではなく、より鋭い意味で用いることが迫られることを意味している。
 実際に、36年にゲンツェン G. Gentzen は有限の立場を一段と深化発展させることにより算術(純粋数論)の無矛盾性を達成するという画期的な仕事を行った。
 ゲンツェンは1934年の学位論文《論理的推論の研究》において、数学で通常行われる推論をそのまま反映するような自然な論理計算の形式化を試み、それに技術的な推敲(すいこう)を行って1階の述語論理のまったく新しい形式の体系 LK(ゲンツェン・タイプの体系という)を導入し、論理についてのまことに美しい法則〈LK で証明できる論理式は三段論法をまったく用いないで証明できる、すなわち、回り道のない証明を与えることができる〉(ゲンツェンの基本定理)を示したが、上述の36年の論文《純粋数論の無矛盾性》で、純粋数論をLK で形式化し、その無矛盾性を順序数 ε0までの超限帰納法によって証明したのである。」(『世界大百科事典』、平凡社より引用)

 ゲーデルは有名ですが、ゲンツェンは、あまり知られていないように思います。ちなみに、上記のゲーデルの定理を、循環論法ではないかと言った研究者も存在するそうです。「自然数論以上の数学的内容をもつ形式的体系が、もし無矛盾ならば、その体系の無矛盾性の証明は、体系内で形式化可能な方法によっては、証明できない」(ゲーデルの定理)。循環論法だと言われるのは、下線部に注意すると分かります。これは、まさに循環論法のように思えます(論点先取の虚偽:証明されるべきことと同様のことを証明なしに前提とすること。循環論法の一種)。
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